アクアライン開通からかずさ総研設立まで

かずさ5市の発展に期待された千葉県のビッグプロジェクト
1983(昭和58)年、「千葉新産業三角構想」という開発構想を掲げ、幕張に産業を集積させる新都心構想を発表。幕張に最先端企業を集積させ、成田空港周辺に工業団地を形成、木更津周辺には研究学園都市を築く計画で、なかでも幕張は急ピッチで開発が進められました。
千葉新産業三角構想に待ち受けていたバブル崩壊後の苦難の数々
木更津市周辺では、1994(平成6) 年にかずさDNA研究所がオープンし「かずさアカデミアパーク」が誕生。研究学園都市構想がスタートしましたが、キヤノンなど大企業の誘致に失敗。

1997(平成9)年12月18日、東京湾アクアラインが開通し、千葉県の役割が変化しました。

東京湾の中央部を横断し、対岸の川崎市を橋梁とトンネルで結ぶ全長15.1㎞の自動車専用の有料道路。昭和41年に調査が開始され、昭和45年12月18日に開発会議(座長:加藤寛)が結成され、平成元(1988)年に工事着工、平成9(1997)年12月18日に開通した。当時の技術の粋を結集し建設され、使用した鋼材は東京タワー1,115基分 大型トラック7万台分のセメントを使用している。

建設当時では日本最大のシールドマシンを駆使し、川崎ウキシマJCT―海ほたるPA間を掘削、東京に浮かぶ人口島「風の塔」はシールドマシンを投入する基地として作られ、現在はトンネル内の空気を循環させる寒気施設として利用している。


1999(平成11)年2月6日「かずさの地域振興を考える産・官・学・民シンポジウム」開催
東京湾アクアライン開通直後に、アクアライン波及効果を目指して、当時の加藤寛千葉商科大学学長(元アクアライン開発会議座長)の基調講演を皮切りに「かずさの地域振興を考える産・官・学・民シンポジウム」が鮎川二郎(当時の千葉商科大学教授)の実行委員長のもとで開催された。
1999年7月催行「かずさツーリズム」 関係資料リンク①名簿

アクアライン交通料金は、当時3,800円(普通車)だったため千葉県への交通量増加が期待されなかった。
「かずさの地域振興を考える産・官・学・民シンポジウム」開催後の2002年に鮎川二郎によって「アクアライン有効活用研究会(仮称)結成」を提言している。


同趣意書の、テーマ1の調査研究では、アクアラインの有効利用促進策として、通行料金を1,000円に値下げした場合を定量的に研究調査し、分析評価することによってそのモデルを提言し、東京圏の交通渋滞による経済損失の緩和、大気汚染防止効果等を明確化する。
テーマ2の調査研究では、テーマ1のアクアラインの有効活用モデルに基づいて、経済的波及効果をより受け止めることが可能となるであろう木更津市周辺地域の持続的発展に役立てる具体的活性化方策を提言することを目的とし、研究開発組織は、民間主導を理念として推進し、調査研究報告書は、国、県、地方自治体等、関係機関に対して、アクアライン有効活用モデルとして提言している。
アクアラインの値下げ運動は、地元有識者(当時の木更津市議高橋浩氏や君津市榎本光男氏他多数)によって値下げ運動が活発化し始めた。
その後、森田健作千葉県知事が就任した2009(平成21)年に地元の値下げ運動に伴い800円への引き下げを実現できた経緯を当時の麻生太郎首相や菅義偉官房長官のお陰であったと報道されている(2017年12月17日千葉日報)。
しかしながら、県内産業の空洞化が深刻となり、2010(平成22)年にはかずさアカデミア運営法人が民事再生手続きに入るなど、その後も混迷を極めています。
このように、かずさアカデミアパーク構想の低迷は、かずさの5市の発展に大きな影響を与えてきました。
木更津の新名所「三井アウトレットパーク」、「かずさアクアシティ」
バブル崩壊後、木更津市は地価下落率が全国ワーストを記録し、駅前商業施設は軒並み撤退するなど凋落の一途をたどっていました。その木更津市がV字回復を果たしています。

2010(平成22)年からの5年間で人口増加率は4.8%を記録。復調の最大の要因は1997(平成9)年に開通した東京湾アクアライン金田インターチェンジ付近、金田東地区には国内最大級の「三井アウトレットパーク」が、金田西地区には、「コストコ」が進出し、更に株式会社新昭和の大型複合施設「木更津ゲートウエイ・ヴィレッジ(仮称)が計画されており、周辺は「かずさアクアシティ」として再開発が進められています。

2022(令和4)年5月29日、市原市、袖ヶ浦市、木更津市、君津市、富津市から気概と情熱を持った同志が結集して「(一社)かずさ総研」を設立(木更津ワシントンホテル)
かずさ総研の理念・目的を達成するため、「地方創生支援室」を設置し、「かずさ創生に向けて会員をはじめ、大学識者、中小企業識者、行政識者の知見を結集し、産・学・官・民の参加・協働・連携により「かずさ総研塾」の企画・運営をする。


かずさ5市ホームページリンク
市原市長室 市原市ウェブサイト (city.ichihara.chiba.jp)
袖ヶ浦市長室 – 袖ケ浦市公式ホームページ (sodegaura.lg.jp)
木更津市長の部屋/木更津市 (kisarazu.lg.jp)
君津市長室 – 君津市公式ホームページ (kimitsu.lg.jp)
富津市長プロフィール | 富津市 (futtsu.lg.jp)